▽ 淡路島アート議定書! 合意形成に向けた取組み 政策提言淡路島アート議定書!
合意形成に向けた取組み
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随時コメントを募集しています
2010年3月に文化政策のアジェンダ提案を行いました。 また、同年7月に文化審議会の途中経過に関する意見募集(パブリックコメント)を提出いたしました。 アートNPOリンクでは、今後もさまざまな提言活動を続けていく予定です。つきましては、みなさまからの文化政策に関するご意見などをお寄せください。
コメント送り先:anl@arts-npo.org
■これまでの経緯
1)11月8日「全国アートNPOフォーラムin舞鶴」を開催し、政策提言部会を発足全国アートNPOフォーラムin舞鶴は、ちょうど政権交代のさなかに行われたフォーラムということもあり、政策提言に受けた機運が高まりました。最終日の議論において、政策部会を設立することが宣言され、その後政策提言を専門とするNPOや中間支援組織、アートNPO関係者にも参加いただき、政策提言部会を設置しました。
2)11月18日 行政刷新会議事業仕分けへの意見を提案しました。
アートNPOリンクはその後、政策提言部会とも連携し、行政刷新会議の事業仕分けに関する意見を提出しました。
3)12月23日 「アートNPOによる緊急フォーラム」を開催
事業仕分けでの議論の高まりを受け、アートNPOによる緊急フォーラムを横浜にて開催、アートNPOのみならず芸術文化に携わるさまざまな方にお越しいただくことができ、150名を超える参加者と100名を超えるネット中継の視聴がありました。この緊急フォーラムにおいて「自分たちの活動を言葉にして説明し、説得していく必要がある」こと、「公的資金を使う限りにおいて説明責任を有すること」それに伴い「自ら検証をしていくことが必要」と当事者側から意見としてあがりました。
一方で、アーティストやアートマネジャー、NPOをつなぐ中間支援型組織の数が少ないこと、アーティストやアートに従事する従業員を守る組合や共益的な組織がないこと。アートNPOなどコーディネーターやマネジメントサイドの役割が認識されておらず文化政策の中に位置づけられていないことなどの問題点が浮き彫りになりました。
緊急フォーラムではとくに声明を発表するに至りませんでしたが、助成金の問題や文化施設の問題、コミュニティアートの取組みなどを考える部会を設置し、さまざまな部会が提言をしていくという提案がなされました。
4)1月12日、2月16日 アートNPOリンク 理事・アドバイザー会議
1月12日と2月16日の両日、ブリティッシュ・カウンシルの協力を得てBOPコンサルティングの方をファシリテーターにお招きし、政策提言に向けた方法論やまとめ方、合意形成の方法などについて勉強し、議論を重ねて来ました。
5)3月1日 平田オリザさんとの意見交換会
3月1日に内閣官房参与の平田さんと意見交換をし、現政権の構想などについて伺いました。同時に、アートNPOの活動を平田さんに紹介し、今後アートNPOの活動を推進するような支援策について一緒に考えていきましょうとお伝えしました。
6)3月20日 アジェンダ出しに向けた公開会議
1月9日に東京芸術センター天空劇場にて開催された第3回文化政策学会のラウンドテーブルに登壇された鈴木寛文部科学省副大臣の「平成23年度に向けたアジェンダの提案を今年度中に出してほしい」という発言を受けて、現場の声を届けるべくアジェンダ提案の公開会議を設定しました。
7)7月9日 文化庁・文化審議会文化政策部会「審議経過報告」に関するパブリックコメントを提出
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アートNPOセクターによる、
文化政策のアジェンダ提案に関する公開会議

昨年アートNPOリンクは、全国アートNPOフォーラム in 舞鶴において、市民による公共文化政策を実現するために「政策提言部会」を発足しました。また、行政刷新会議による「事業仕分け」に関して文部科学省が行ったパブリックコメントにて意見提案を行い、12月23日には横浜にて「現場から、日本の芸術文化政策を考える〜アートNPO・緊急フォーラム」を開催するなど、市民の目線による政策提案や公開の議論を積み重ねてきました。
12月23日の緊急フォーラムでは、事業仕分けに対する関心の高さから、アートNPOに留まらず、芸術文化に携わるさまざまなセクターの方に参加いただくことができました。芸術文化のエヴィデンス(証拠や証言)に基づいた検証と報告、それらを広く社会的な合意形成につなげていくことの重要性について共通認識を持つことができました。また、文化政策に関して幅広く意見を募ることができた一方で、われわれアートNPOのネットワークは、芸術文化に携わるすべてのセクターの意見をとりまとめることは困難であることも確認しました。
こうした議論を受けて、1月から2月にかけて、ブリティッシュ・カウンシルの協力のもと、英国の文化政策の専門家等を交えた情報交換や、理事会での長時間におよぶ議論を経て、アートNPOセクターに関する政策提言に向けた活動を進めていくことを合意しました。
さらに、1月9日に東京芸術センター天空劇場にて開催された第3回文化政策学会のラウンドテーブルに登壇された鈴木寛文部科学省副大臣の「平成23年度に向けたアジェンダの提案を今年度中に出してほしい」という発言を受けて、アートNPOセクターから、現場の声を届けるべく準備を進めています。
つきましては、来る3月20日(土)、にしすがも創造舎(東京都豊島区)において、アートNPOリンクの今年度の活動報告と次々年度の文化政策に対するアートNPOセクターからのアジェンダの提案に向けた意見交換会を開催します。
アートNPOのみなさまの、ご参加をお待ちしております。
日 時:2010年3月20日(土) 14:00〜17:30
会 場:にしすがも創造舎・音楽室(別棟2階)
主 催:NPO法人アートNPOリンク
協 力:にしすがも創造舎
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アートNPO緊急フォーラム
現場から、これからの日本の芸術文化政策を考える緊急フォーラム
『日本に芸術文化は必要だ! そのために我々は何をすべきなのか』
開催日時:2009年12月23日(水・祝)17:30〜21:30
開催会場:BankART Studio NYK
詳細はこちら
政策提言
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文化審議会文化政策部会「文化審議会文化政策部会(第3次基本方針)策定に向けたヒアリング」に関する意見提出(2010年8月31日)
文化審議会文化政策部会「文化審議会文化政策部会(第3次基本方針)策定に向けたヒアリング」に関する意見提出
2010年8月31日
提出者:特定非営利活動法人アートNPOリンク
特定非営利活動法人アートNPOリンクは、文化審議会文化政策部会「文化審議会文化政策部会(第3次基本方針)策定に向けたヒアリング」に関して、下記の通りコメントを提出しました。
◇1.現行の基本方針(第2次基本方針)の評価と課題について
『第2次基本方針』で掲げられた内容は、幅広い文化芸術分野と、都市部だけでなく地域に対しても、全方位的に配慮された内容だと評価しています。また、その方針に沿って国の役割を推進されていることも理解しています。
【「エバリュエーション」の仕組み、体制の構築】
その一方で、『第2次基本方針』では抽象的な表現が多く、方針の策定と施策の実施によって、従前と比べてどのような成果があったのか、文化芸術活動を実践する者が把握することは容易ではなく、国民に対する説明も不十分であると考えます。よって、方針に則った施策の成果について、評価を行い、現場のニーズを把握し、国民への説明とより良い施策の構築を行う(この一連の流れを当団体では「エバリュエーション」と捉えています)ための、仕組みや体制づくりが課題の一つであると考えます。
【助成に関する「専門的機関」に関する検討について】
こうした点から、『第2次基本方針』の「重点的に取り組むべき事項」の中で、「文化庁、芸術文化振興基金、その他の助成機関等の適切な役割分担を図るとともに、審査・評価を充実させ…専門的機関を経由して助成する再助成制度の有効性も検討する必要がある」という記述があり、その必要性は、当団体も強く賛同します。しかし、この「専門的機関」について、どのような検討が国として進められているのか、説明が不足していると考えます。また、こうした検討のために、現場から意見を述べる機会や対話する機会を設けるべきであると考えます。
◇2.今後(第3次基本方針の下で)、重点的に推進すべき事項(重点施策)について
既に当団体からは、先般の「審議経過報告」に関する意見募集にも意見を提出しておりますが、ここでは改めて強調したい事項を述べます。
【助成制度の改革について】
助成制度のあり方に関しては長い間の検討事項であり、実際に問題も発生しています。この点については、アートNPOのみならず多くの文化芸術団体にとっても強く変革を求める重要な検討事項です。我々は、赤字補填(自己負担の範囲内)を前提とした助成制度からの脱却と制度の見直しを強く望んでいます。
アートNPOの収支構造は、基本的な管理・運営費(人件費)が設置団体から支給される公立文化施設、チケット収入の見込める(実演)芸術団体とはまったく異なっており、従来のような『助成対象経費の1/3(1/2)助成』、『全額後払い』、『間接経費が認められない』制度は現実的ではありません。
これまでの助成プログラムの制度設計を見直し、費目を特定した支援(助成対象経費や自己負担金による上限の撤廃)、団体の運営スタッフの場合でも事業担当者の実働時間の人件費を助成対象とすること、交付予定額の概算払いといった制度の改正を、強く求めます。
また、こうした改正のために必要な調査研究や国民への説明について、当団体は積極的に協力します。
【地域の創造拠点の形成に関すること】
「地域の核となる文化芸術拠点への支援を拡充する」にあたっては、公立文化施設のみならず、地域資源(遊休となった公的施設、無人化が進行する中心市街地の空き店舗、空き民家、工場施設等建造物) を活用した拠点の形成と、そこにおける活動支援を望みます。地域には、既存文化施設のみならず、文化芸術の拠点となりうる多くの地域資源が眠っています。これら地域資源を有効に活用することにより、地域に根ざした文化芸術を活性化させるだけではなく、地域の創造力を喚起して、地域の課題解決に取り組んでいることが求められています。
【アートNPOの人材育成に関すること】
「NPO法人等『新しい公共』による文化芸術活動を支援する」ためにも脆弱な財政基盤や人材不足といった現状の課題に則した支援のあり方が必要であり、複数年継続を前提とした委託事業、補助事業(助成を含む)の制度設計や、現場の予算執行に裁量権を持たせた運用(間接経費を)を切望しています。「新しい公共」による文化政策を推進するためにも、NPOの実態に即した助成制度の設計を行うべきだと考えます。
【「日本版アーツカウンシル(仮称)」について】
「日本版アーツカウンシル(仮称)」については、先に述べた「エバリュエーション」の仕組み、体制の構築を考えると、助成金の分配だけを行う専門機関ではないと考えます。現場のニーズを把握し、より良い助成プログラムの構築につなげていく調査研究能力、全政党への政策提言、文化庁のみならずすべての省庁に対する政策立案能力を備えたシンクタンク機能を有する組織であることが必要です。また、「地域アーツカウンシル」の設立を視野に入れ、芸術団体やアートNPOとの人事交流を行い、地域や現場の声が直接反映できる体制を整える必要があります。
◇3.その他、基本方針の見直し全般について
〈アートNPOは、市民社会における「公共の役割」を担っている〉
アートNPOや地域における文化芸術活動は、営利を目的とするものではなく、また、個人の自己表現や自己実現の追求でもありません。アートNPOは、各地で生み出され、展開されてきたさまざまなアートプロジェクトを通じて、、社会の多様性を尊重し、新たな価値を創造しています。その成果として地域文化の活性、社会的包括の実現、社会関係資本の増大をもたらすこれら諸活動は、市民社会において公益的な活動(公共的な事業)だと捉え直すことが、基本方針の重要な考え方に反映されることを求めます。
【地方における文化芸術活動の「水準」について】
また、第2次基本方針の中で「文化芸術の頂点の伸長,裾野の拡大」という言葉が用いられていますが、ともすると「頂点」=東京等の都市圏、「裾野」=地方、といった中央集権的な構図に捉えられているように見受けられます。というのも、各種の助成事業の申請における現在のような審査体制では、地方での文化芸術活動の質(水準)を正当に評価することが可能であるのか、地方の現場での成果やニーズを汲み取ることが可能であるのか、疑問に感じるからです。
地方分権の流れにおいて、地方で展開されている「水準の高い」事業を評価すること、あるいは地方での文化芸術活動の水準を高めていくことで、日本全体の文化の水準を高めていくことが必要だと考えます。以上
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文化庁・文化審議会文化政策部会「審議経過報告」に関するパブリックコメントを下記の通り提出いたしました。
パブリックコメント提出 7/9日
文化審議会文化政策部会「審議経過報告」に関する意見提出
2010年7月9日
提出者:特定非営利活動法人アートNPOリンク
特定非営利活動法人アートNPOリンクは、文化審議会文化政策部会「審議経過報告」に関して、下記の通りコメントを提出します。
◇第1 文化芸術振興の基本理念 に関して
■「『文化省』の創設をも念頭に置きつつ,まずは関係省庁が<協働の姿勢>をもってより一層連携を強化していかなければならない。」とあるが、国民への説明と議論を踏まえつつ、具体的な進展を望む。そのためにも、『文化芸術振興基本法の基本理念』に則った政策の実現に向け、市民が主体的に芸術に参画する領域を拡大しうるような施策を講ずるべきである。
■「文化芸術の振興と連動する創造産業の発展に大きな期待」とある。その見解に賛同する一方で、文化芸術を介した若者や障がい者、高齢者、貧困者、失業者などの社会参加や社会的包摂など、「支え合いと活気のある社会」を謳う「新しい公共」の実現ならびに、菅直人首相が就任会見で述べた「最小不幸の社会をつくる」うえで文化芸術の役割を見直し、政策に反映すべきである。
◇第2 文化芸術振興のための重点施策 に関して
1(1)文化芸術活動に対する支援のあり方の抜本的見直し
「文化芸術活動に対する支援のあり方の抜本的見直し」にある通り、現場に即した委託事業、助成制度のあり方を実現すべきである。
■「助成面の課題」においては指摘の通り、事業の赤字補填という前提を脱却すべきである。あわせて、概算払い(前払い)が可能となるような制度設計が必要である。
■「寄附税制の拡充や文化芸術資源の活用を促進する税制の検討等を通じて、企業等の民間や個人からの文化芸術に対する投資拡大を促す」べく、民から民(アートNPO・市民活動)」への資金の流れを促進する仕組みづくりに取り組むべきである。
■「NPO法人等『新しい公共』による文化芸術活動を支援する」ためにも脆弱な財政基盤や人材不足といった現状の課題に則した支援のあり方が必要であり、複数年度を前提とした委託事業、補助事業(助成を含む)の制度設計や、現場の予算執行に裁量権を持たせた運用(間接経費を)を切望している。
アートNPOの収支構造は、基本的な管理・運営費(人件費)が設置団体から支給される公立文化施設、チケット収入の見込める(実演)芸術団体とはまったく異なっており、従来のような1/3(1/2)助成、全額後払いという制度は現実的ではなく、「新しい公共」による文化政策を推進するためにも、NPOの実態に即した助成制度の設計を行うべきである。
■「『日本版アーツカウンシル(仮称)』の導入に向けた検討」にあたって、地域主権に基づくNPOなど民間主導による地域を拠点とする〈地域アーツカウンシル〉のあり方を検討すべきである。
■「地域の核となる文化芸術拠点への支援を拡充する」にあたっては、公立文化施設のみならず、地域資源(遊休となった公的施設、無人化が進行する中心市街地の建造物等) を活用した拠点の形成と、そこにおける活動支援を望む。 地域には、既存文化施設のみならず、アートの拠点となりうる多くの地域資源が眠っている。これら地域資源を有効に活用することにより、地域に根ざしたアー トを活性化させるだけではなく、地域の創造力を喚起して、地域の課題解決に取り組んでいることが求められている。
ハコものの設置や管理だけではなく、活動不全にある地域資源(遊休となった公的施設、無人化が進行する中心市街地の建造物等)に対するNPO人材の投入、アー ト活動の立ち上げによる再活用、再活性化を促す支援方法を検討すべきである。また、アートの多様な表現活動を通じた有機的な人々のつながりを生み出す拠点の形成と、そこにおける活動支援を望む。以上
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2009年11月に行われた行政刷新会議「事業仕分け」意見募集について、アートNPOのネットワーク組織として意見を提出しました。
行政刷新会議「事業仕分け」意見募集について
全文ダウンロード(ZIP圧縮/PDFデータ)
■行政刷新会議事業仕分け対象事業
《文化関係1》に対する意見
全国のアートNPOのネットワークであるアートNPOリンクは、芸術文化支援制度の効果的な改革を提案しており、行政刷新会議「事業仕分け」にあるような予算削減ありきの論議の内容と、芸術文化関係者ならびに芸術文化事業の現場を無視した評価結果に対して、到底賛成できるものではない。
以下、いくつかの評価結果についてコメントし、あわせて我々の対案を提案する。
意見の骨子
「文化関係1 独立行政法人日本芸術文化振興会」を予算要求の縮減(圧倒的な縮減)とする事業仕分けの結果に異議を唱える。
●文化予算削減ありきの事業仕分けには賛成できない。むしろ、効果説明を重視するのであれば、文化芸術特有のアウトカムや定性評価について評価・検証を行った上で、諸事業のより効果的な改革を進めるべきである。
●国民の文化的生活や基本法に示された文化権を保障するためにも、国は芸術文化を振興する責務がある。
●諸外国のようにアーツカウンシルや文化評議会といったアームズレングスの理念に則った公的な専門機関の設置や、NPOセクターのとの協働を進めるなど、国の戦略的な取り組みが不可欠である。
意見の補足説明
民主党政権になり、「コンクリートから人へ」という基本方針に、私どもアートNPOも賛成である。しかし、人の精神を育み豊かにするための芸術文化の予算や事業が、しっかりとした検討もなされずに、芸術文化の価値と現状に理解を示さない「仕分け人」によって簡単に切り捨てられてしまうことに大きな違和感がある。
そもそも、私たち市民が、多様で豊かな社会を形成し、国民の権利である文化的な生活を営むためには、芸術文化は必要不可欠なものである。
また、芸術文化の振興は芸術家や芸術活動に携わる専門家・団体のみによって成されるものではなく、市民自らが主役となって芸術文化の振興に取り組むことで、豊かな市民社会が創出される。
文化芸術振興基本法(平成十三年法律第百四十八号)(平成十三年十二月七日公布)の前文では、「文化芸術は、人々の創造性をはぐくみ、その表現力を高めるとともに、人々の心のつながりや相互に理解し尊重し合う土壌を提供し、多様性を受け入れることができる心豊かな社会を形成するものであり、世界の平和に寄与するものである」と文化芸術の意義が掲げられている。
さらにその総則では、基本法の目的を「この法律は、文化芸術が人間に多くの恵沢をもたらすものであることにかんがみ、文化芸術の振興に関し、基本理念を定め、並びに国及び地方公共団体の責務を明らかにするとともに、文化芸術の振興に関する施策の基本となる事項を定めることにより、文化芸術に関する活動を行う者の自主的な活動の促進を旨として、文化芸術の振興に関する施策の総合的な促進を図り、もって心豊かな国民生活及び活力ある社会の実現に寄与することを目的とする」と定めている。
国は、文化芸術振興基本法に則り芸術文化全般の振興を図る施策を講ずる必要があって、今回の事業仕分けのように、予算削減のみを前提とし、芸術文化活動の現場を無視した極めて偏った評価は、基本法に則った諸施策を推進する土台を失わせるばかりか、基本法を軽視するものである。それとともに、地方の財源はどう手当するのかという議論をなおざりにしている印象を拭いきれず、地方の現実を一切無視した評価者のコメントは、地方分権の流れの中にあって違和感を禁じ得ない。(以上の補足説明は、「文化関係2に対する意見」とも共通するものである。)
《(独)日本芸術文化振興会関係》についての事業仕分けに対して
「文化の振興という数値で図れない事業の必要性は否定しないが、効果説明が不足でばらまきの批判をおさえられるものではない」という評価者コメントは、これまでの文化政策の成果に関するフォローアップや説明責任を果たしていない文化庁の責任を指摘した重要なものである。しかしながら、文化予算削減ありきの事業仕分けには賛成できない。
むしろ、効果説明を重視するのであれば、アウトプットや数値指標に留まらない、芸術文化特有のアウトカムや定性評価についてエピソードなど有効なエヴィデンスを含めた評価・検証を行った上で、諸事業のより効果的な改革を進めるべきである。そして、文化政策の評価・検証を行うにあたって、アート・マネジメントの教育や研究を行う大学、芸術文化事業への助成機関、芸術文化団体の中間支援活動を行う公益法人やNPOなどと連携し、多様な立場からの視点で評価・検証を行うことが望まれる。
また「文化振興は国の責務か、民間中心で行うか、議論が必要」とある通り、開かれた議論の場が必要であろうが、国民の文化的生活や基本法に示された文化権を保障するためにも、国は芸術文化を振興する責務がある。
よって、財政悪化を理由に国の責務を放棄し、流行言葉のように「地方へ」と責任転嫁する姿勢には賛成できないばかりか、こうした評価結果は現政権の文化政策に対する見識不足と言わざるを得ない。
たしかに、芸術文化への国の直接の介入は、芸術文化の独立性や表現の自由を脅かす恐れもある点については過去の過ちにも学ぶべきである。そうした事態を避けるためにも、諸外国のようにアーツカウンシルや文化評議会といった、アームズレングスの理念に則った公的な専門機関の設置と、その専門機関に対する国家の予算拠出の体制整備が必要である。この体制整備には、現行の(独)日本文化芸術振興会が管理する芸術文化振興基金の運用体制の再構築が必要だが、基金の原資を出した民間企業の理解と協力や、NPOセクターのとの協働を進めるなど、国の戦略的な取り組みが不可欠である。
とりまとめコメントにある「圧倒的に予算を縮減したい」とするならば、民主党も賛成した文化芸術振興基本法の理念やそれに基づく諸施策をいかに推進するのか、具体的な対応策を説明するべきである。
結び
今回の「事業仕分け」は、市民の議論を呼び起こし、税金の無駄使い及びこれまでの悪しき慣例を正す意味で画期的なことである。しかし、あまりに予算削減ありきで進められて、現実を省みない的外れなコメントによって予算削減、廃止などと簡単に決められてしまうことに、芸術文化に携わる者として残念でならない。
芸術文化は、新しい価値観を生み出す創造性に溢れ、人を思いやる想像力を豊かにし、多様性を享受する深い感性を宿し、他者とのコミュニケーション力を育むなど、生きていくために不可欠なものである。日本では、芸術文化を疎かにしてきたことが、現在のさまざまな社会的な問題を生んでいるひとつの要因になっているのではないか。
日本は、諸外国に比べあまりに芸術文化にかける国の予算が少ないことは、長年にわたって専門家や専門機関が指摘を繰り返してきた。英国のアーツカウンシルのように芸術文化の専門機関を持たず、大学等とも連携が希薄でフォローアップやエヴィデンスがしっかり示されないまま、文化政策の根本的な見直しもなく、今以上に文化予算を削減するのであるならば、日本は芸術文化をますます軽んじている国と見なされるだろう。
アートNPOリンクは、この度の「事業仕分け」の圧倒的な予算縮減要求に異議を唱える。同時に、この機会に芸術文化の助成制度と、フォローアップを含めた諸事業の仕組みの見直しを求めるとともに、アートNPOのネットワークはそれら制度改革に協力を惜しまない。
日本にも諸外国のようなアーツカウンシル等の設置を真剣に検討する時期に来ている。そのために、アートNPOリンクでは文化政策に関する研究部会を設置し、事務局を窓口として、国、自治体、民間企業など、他のセクターと連携していく所存である。
以上
■行政刷新会議事業仕分け対象事業
《文化関係2》に対する意見
意見の骨子
「文化関係2 芸術家の国際交流等(芸術家の国際交流、伝統文化こども教室事業、学校への芸術家派遣、コミュニケーション教育拠点形成事業)」のうち、「芸術家の国際交流」の予算要求の縮減、および「学校への芸術家派遣、コミュニケーション教育拠点形成事業」を国の事業として行わないとする事業仕分けの結果に異議を唱える。
●「芸術家の国際交流」は、諸事業の効果に関するフォローアップがなされていないことについて真摯に受け止める必要がある。
●しかし、仕分け人の削減理由には曖昧で偏った見識が多く見受けられ、海外研修を受けた新進芸術家の多くが、現在の日本を代表するアーティストに成長していることは、この政策の効果に関する明白なエヴィデンスであると考える。
●「学校への芸術家派遣、コミュニケーション教育拠点形成事業」は、文化芸術振興基本法にある「国の責務」に基づくものであり、芸術家の職能を幅広く社会還元する仕組み、あるいは、想像力や社会的な関係性、創造性を育むためにも、国として行うべき事業だと考える。
●また、教育における芸術文化の可能性は、欧米の先進諸国のみならずシンガポール、韓国など諸外国において、エヴィデンスベースの実証がすでになされており、日本においても当該施策のさらなる拡充が待たれるものである。
意見の補足説明
《芸術家の国際交流》について
文化庁がこれまで税金を投じて行ってきた諸事業の効果に関するフォローアップがなされていないこと(「フォローアップがなされていないなど税金投入の説明が不足している」「フォローアップを定期的に行い、効果の検証をまず行うべき」「事業対象者のフォローの仕組みと評価の仕組みを構築してから今一度実行。事業自体は重要と考える。運賃コストの見直しも必要」「分止まりを含め、何を目標とすべきか。フレームワークそのものを先に作るべき。ゴール設定がメジャーメント可能でないので評価できない。ただし、芸術家支援そのものはしっかりやるべき。」)は概ね妥当なコメントであり、文化庁はそうした指摘を真摯に受け止めるべきである。ただ、文化庁職員が多忙を極め、膨大な事務量を抱えている現状では、上記のことに応えるためには大学機関やNPOなどと連携し行っていくか、文化庁の人員を増やさないと実質的に難しいのではないかと考える。
しかしながら、「芸術は自己責任。日本独自の洗練された文化レベル・芸術性が通用するのであれば、しっかりしたマーケティングで興行可能」とのコメントは、興行業のような市場原理を優先した芸術文化ですべてが足ると判断するものであり、基本法の理念を極めて軽視したものであるばかりか、文化に関する見識を著しく欠くものである。
文化の多様性に関するユネスコ世界宣言(第31回ユネスコ総会採択)では、文化の多様性と創造性について「第8条−文化資産と文化事業:ユニークな商品/創造と革新への期待を大きく膨らませる現代の経済・技術の変化に相対する時、特に注意を払わなくてはならない点は、創造的な作品供給が多様性に富んでいなければならないこと、著作家・芸術家の権利に対し正当な認識を持たなければならないこと、また文化資産及び文化事業は、独自性・価値・意味の発信源として特殊なものであり、単なる商品或いは消費財として扱われてはならないということである。」とされているとおり、評価者のコメントは国際情勢の把握や適切な政治的判断に基づいているとは言い難い。
また、「新進芸術家の海外研修で毎年150人以上派遣採択は多すぎる」とするその比較となる根拠が不明瞭である。海外研修を受けた新進芸術家の多くが、現在の日本を代表するアーティストに成長していることは、この政策の効果に関する明白なエヴィデンスである。それに加えて、平成16年からはアート・マネジメント分野の海外研修を受けた有志が民間の助成金を受けて「芸術分野海外研修サポートプロジェクト」が開始され、現在は社団法人日本芸能実演家団体協議会の主催で海外研修者の成果報告会を毎年開催している。今後、より積極的なフォローアップが望まれるものの、海外研修の経験者が自主的にフォローアップを行い、次の研修希望者に貴重な体験や情報を提供していることは、一つの成果だと考える。
つぎに、「人材育成は不要。各コンテストの副賞等で有望な人材は留学している。交流事業については、外務省と重複しており、国全体としては縮減すべき。」とのコメントがあるが、これは基本法第十六条の「国は、文化芸術に関する創造的活動を行う者、伝統芸能の伝承者、文化財等の保存及び活用に関する専門的知識及び技能を有する者、文化芸術活動の企画等を行う者、文化施設の管理及び運営を行う者その他の文化芸術を担う者の養成及び確保を図るため、国内外における研修への支援、研修成果の発表の機会の確保その他の必要な施策を講ずるものとする」という国の責務を軽んじるものである。こうした評価結果は予算削減のみを目的とした極めて短絡的かつ現実を無視したものであり、現政権の文化政策に関する基本的認識の欠如を示すものだと言わざるを得ない。あわせて、「各コンテストの副賞等」は非常に限られたものであるという現実を認識しているとは思えず、極めて根拠が曖昧である。
《学校への芸術家派遣、コミュニケーション教育拠点形成事業》について
学校への芸術家の派遣は、『国の事業として行わない』という評価結果は、基本法第二十四条で「国は、学校教育における文化芸術活動の充実を図るため、文化芸術に関する体験学習等文化芸術に関する教育の充実、芸術家等及び文化芸術活動を行う団体による学校における文化芸術活動に対する協力への支援その他の必要な施策を講ずるものとする」とされた国の責務を全くないがしろにするものである。
また、この評価結果は、芸術家の職能を幅広く社会還元する仕組み、あるいは、想像力や社会的な関係性、創造性を育むといった効能など、芸術文化の持つ多様な社会的役割や可能性を排除することになりかねない。
教育における芸術文化の可能性は、欧米の先進諸国のみならずシンガポール、韓国など諸外国において、エヴィデンスベースの実証がすでになされており、日本においても当該施策のさらなる拡充が待たれるものである。したがって、評価コメントにある「モデル事業で行うものではなく、各学校で取り組むための補助策を計画性を持って行うべき。全面見直しが必要。」との意見は、これらの施策に関する現在の課題を的確に指摘したものであり、より効果的な派遣のしくみや、クリエイティブ・コーディネーターを全国の学校で養成するなどの取り組みとともに、むしろ予算の拡充を求めるべき施策である。あわせて「自治体、各学校の取り組みに任せるべき。」との意見は、平田オリザ氏の文部科学大臣あての書簡にもある通り、「こういった体験型授業は、文部科学省が施策として取り入れないと、大都市圏の子どもだけが教授できる状態が続き、体験型教育、ひいては地域の文化格差が助長される」恐れがあるうえに、経済的格差による芸術文化へのアクセシビリティの格差拡大にもつながる危険性がある。
結び
最後に、鳩山首相の所信表明演説を引用する。
「次に私たちが目指すべきは、単純に昔ながらの共同体に戻るのではない、新しい共同体の在り方です。スポーツや芸術文化活動、子育て、介護などのボランティア活動、環境保護運動、地域防災、そしてインターネットでのつながりなどを活用して、『誰かが誰かを知っている』という信頼の市民ネットワークを編み直すことです。」
「政治ができることは、市民の皆さんやNPOが活発な活動を始めたときに、それを邪魔するような余分な規制、役所の仕事と予算を増やすためだけの規制を取り払うことだけかもしれません。しかし、そうやって市民やNPOの活動を側面から支援していくことこそが、21世紀の政治の役割だと私は考えています。」
上記は、まさにこの国のあり方を抜本的に作り変えていく、そしてそれが必要とされる時代に入ったことの表明として重く受け止め、共感している。
そのひとつの根底になるはずの芸術文化が、今回あまりにも軽く切り捨てられるような事業仕分けでの評価結果に対して、アートNPOリンクは異議を表明するものである。
以上
特定非営利活動法人アートNPOリンク
2009年11月18日
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